結石とカルシウム
カルシウムを取り過ぎると結石になる？
結石は、いろいろな臓器にできる主にシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどの石状のかたまりのことですが、痛みが出て問題になることが多いのは、腎臓～尿管～膀胱～尿道にできる尿路結石です。腎臓にある間は痛みはほとんどありませんが、細い管の尿管へ移ると尿管を刺激して痛みが出るようになります。原因としては、動物性タンパク質の摂り過ぎが言われています。 肉類などの動物性たんぱく質を摂り過ぎると、シュウ酸などが体内に増加します。酸であるシュウ酸はアルカリであるカルシウムと結合しやすく、腸でカルシウムと結びつき便として体外に排出されますが、シュウ酸が多いと腸で排出しきれず尿に多く含まれてきます。そうすると腎臓で尿中のシュウ酸がカルシウムと結合し結石ができ、腎臓から尿管に移動して尿管を詰まらせることになるのです。
このため、動物性たんぱく質の過剰摂取とともにカルシウムを多く摂ると、体の中で余ったカルシウムがシュウ酸と結合して石灰化し結石の原因となると思いがちですが、健康な状態であれば食品から摂るカルシウムは必要がなければこのようなことを起こすことなく、排泄されます。実は、逆に摂取カルシウムが不足すると結石ができやすくなるのです。
カルシウムの働き
カルシウムは体の中で、骨：血液：細胞=1億：1万：1という比率で存在しています。この細胞にごくわずか存在するカルシウムは細胞を動かす大切な働きをしています。例えば、心臓を動かす筋肉(心筋)の細胞にカルシウムが入ると収縮、出ると弛緩して心臓を動かし血液を送る働きをしています。このようにカルシウムは骨を造るだけでなく、細胞で働きいろいろな生命維持のための働きをしているのです。
カルシウムが不足すると…
このように生命維持に欠かせないカルシウムですから、摂取カルシウムが不足すると、カルシウムの貯蔵庫でもある骨からカルシウムを溶かし出して補充します。ここで問題なのが、必要以上に骨から溶け出してしまい細胞・血液に過剰に存在するようになってしまうことです。一方骨はカルシウムが減り、弱ってひどくなると骨粗しょう症を引き起こします。このように摂取するカルシウムが不足しているのに、体の中では過剰に存在する現象をカルシウムパラドックス現象と言います。(詳しくはカルシウムパラドックス現象をご覧下さい)
さらに、この骨から溶け出したカルシウムは食品から摂るカルシウムと性質が違い、いろいろな部位に沈着石灰化を起こしやすい悪玉カルシウムで、過剰にあると尿中のシュウ酸などと結合して結石をつくるのです。また例えば血管壁に沈着すると血管壁を細胞を収縮、硬化させて動脈硬化を起こします。
このようにカルシウム不足が続くと骨から溶け出したカルシウムがいろいろな病気の原因になるのです。
カルシウム摂取を心掛けましょう
ですから、普段の食生活で石灰化などを起こさない良質のカルシウムを多く含む小松菜などの黄緑色野菜、ひじきなどの海藻類やちりめんじゃこなどの小魚類を積極的に摂り、カルシウムパラドックス現象を起こさないように心がけることが大切です。
気をつけても摂り切れないのがカルシウム
しかし、厚生労働省の栄養調査では日本人のカルシウム摂取量は摂取基準を満たしていませんし、便利さや手軽さを求めてカルシウム不足を助長するリン酸などの多い食品を摂りがちな現代の食生活では、なかなかカルシウム不足を解消することは難しい状況です。
カルシウムサプリメントについて
このために多くのカルシウムサプリメントが販売されていますが、自然の食品に含まれるカルシウムと同様に長期間摂っても沈着石灰化などを起こさず、骨：血液：細胞=1億：1万：1という体内のカルシウムバランスを崩さないものを積極的に摂るようにしましょう。また、肉類などの動物性タンパク質の量を控え目にする、水分補給を心がけるなどのことも大切です。 風化貝カルシウム商品案内
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